初期(Early years)

アルフォンソ・モリーニ — モト・モリーニ創設者
モトモリーニ社は、まだ道路のほとんどが整備されてない頃、モーターバイクの先駆的な時代に創業しました。
1937年、アルフォンソ・モリーニは、自身で製造を始める事を決心しましたが、実際にモーターバイクの設計と製作が始まったのは1946年に最初のモデルであるT125が発表された時です。
彼の洞察力が、イタリア製モーターバイク産業に新たな風を吹かせる事になりました。
スピード、発見、そして冒険。モトモリーニはこれらをイタリアの日常生活にもたらしました。その神話は、Races Dept. のおかげで生まれたともいえます。アルフォンソ・モリーニは良きデザイナーであり、レースの世界がブランドの強力な宣伝になると思いつき、その業界の先駆けになったのです。1948年にRaffaele Albertiが125ccのレースでイタリアチャンピオンの栄冠を得た事により、モリーニは初めてのタイトルを獲得しました。


1950年代

進化するモトモリーニとモーターバイク
1950年代はイタリア国内市場が大きく成長し、2ストロークモデル以上の性能が求められるようになり、モトモリーニは4ストロークエンジンの開発を進めました。
この年代に、モーターバイクとはスポーティさとスピードを意味するようになりました。よりパワーのあるエンジンが、再び二輪車の世界に革命を起こしたのです。
Molini 175が市場に参入したのは、そういった状況の時でした。後にスポーツモデルであるSettebelloが登場し、会社の歴史に多くの成功とライダー達に素晴らしい走りをもたらしたのです。
1954年~1955年は、生産性が飛躍的に向上し、素晴らしい単気筒モデルが生まれた年です。
Rebello は、イタリアのモーターバイク界の最も優れたクラシックモデルの一つとして位置づけられました。


1960年代

スポーツブランドとしてのモトモリーニ
1960年代は、モトモリーニがイタリアのモーターバイク社としてだけでなく、スポーツブランドとしての地位を築いた時代です。
大量生産の時代にも入り、日常に使いやすいSbarazzino 100と Corsaro 125 が広く親しまれました。
Corsaro は市場投入後すぐに、その力強さと多目的性で多くの人達に好まれ、クロスカントリー競技にも使用されました。
さらに、モトモリーニのスポーツ魂は、Corsaro Veloce が生まれた頃に再び出現します。
Corsaro Veloceは、後に数えきれないほど多くのスポーツバージョンに改良され、多くの著名人がモトモリーニを愛用しました。
その中でも際立ったのが、Settebello Aste Corte に乗ったMr. Giacomo Agostiniです。彼が多数のイタリアタイトルを獲得した事により、モリーニ神話ができたとも言えるでしょう。
新たな章として、Corsarinoがあります。多様なモデル (Z、ZZ、ZT、Scrambler、 Super Scramblerなど) が製造・販売され、1963年から1977年まで継続してボローニャの最もポピュラーなモデルとなりました。
イタリアの法律に抑えられたにも関わらず、ダブルクレードルフレームと4ストロークエンジンにより、本物のバイクと見なされるようになり、その時代の若者に最も切望されるバイクになったのです。いわば、若者達がモリーニのライダーになる夢を持ち始めたのです。


1970年代

モトモリーニのイノベーター — Mr. Franco Lambertini
1970年代は、好景気によって製品開発と新市場のシェアが拡大し、モーターバイク業界は活況でした。
モトモリーニのイノベーターとなるデザイナーのMr. Franco Lambertini が入社したのがこの頃でした。
言うまでもなく、それをきっかけに会社で新しい時代が始まったのです。
新しく画期的なエンジンが生まれ、約20年間に渡って世界中で好評を得ました。
そこで選ばれた構造は、縦長のVツインエンジンで、2つのシリンダー間の角度が72°、最もバランスのとれた90° Vsolutionと一層細い Vの良さの両方を折衷し、容積についても最適な形でした。1970年代初期、最終的に1気筒あたり4バルブに落ち着くよりもずっと早い時期に、プッシュロッドとロケットアームが理想的にバルブとマッチしていました。それは、今でも大量生産されるエンジンに適したパワーを得ることができる方法でした。
この2気筒エンジンは、その時代では先進的なものとなりました。例えば、タイミングベルトやドライマルティプルディスククラッチなどは、当時のレース用モーターバイクのみに搭載されていましたが、それが、1971年にミラノ・モーターショーで展示されセンセーションを巻き起こしました。
その後、モトモリーニの歴史で最も成功したバイクは、3 ½エンジンが出来た頃に生まれました。その成功に続き、1974年に3 ½はよりレーサー仕様になった3 ½ Sportと並んだのです。
さらに、Lambertiniがもたらした主な革新の一つは、モジュラー方式のエンジンとして 350 ccのエンジンを考案した事です。それにより最小の投資によって他に多くのプロジェクトが実現できたのです。
それによってできた製品が、単気筒エンジン125Hと250T、および2気筒エンジン250J、500 GT、500 Sport、Sei-V でした。


近年 (Recent Years)

モーターバイクとモトモリーニの未来
1980年代から2000年代半ばまでは、モトモリーニにとって浮き沈みのあった時期でした。
会社にとっては、吸収合併と再スタートに向けた長い準備期間でしたが、市場で最終的に衰退しそうな危険な流れの中にいたとも言えます。
しかしながら、モーターバイクの歴史を作り上げた伝統的ブランドは、その魅力を保ち続けました。2011年、新しい市場シェアを目指し、2つの先見の目を持ったミラノの企業家によって吸収合併されました。
モトモリーニは元の軌跡に戻ることができたのです。
モトモリーニは75年間の歴史から湧き出る熱意と、世界でも特出した製造技術により、新たなスタートを切る事ができたのです。
当社は、未来のモトモリーニのデザインと製造に向けて、新たなスタンダードを始め、モダンで革命的なデザインにより刺激的なフィーリングをもたらすでしょう。
独自のノウハウによって、ライダーの要求に答えられるようなモーターバイクのデザインを社内で行う事が可能となり、お客様が満足し納得して頂けるような製品を提供し続けます。